機会を逃さない、シンプルでプロフェッショナルな英語フォームの作り方

近年、ウェブサイトへのアクセスは国境を越え、英語圏のユーザーからの問い合わせが増えています。日本語のフォームしかないために、せっかくのビジネスチャンスを逃しているかもしれません。
ウェブサイトに英語でのお問い合わせフォームを設置するのは、難しく考える必要はありません。複雑なコードを書かなくても、明確で使いやすいデザインと、プロフェッショナルな定型文さえあれば十分です。
ここでは、ウェブサイトを運営するあなたが、すぐに使える英語のお問い合わせフォームの設計と自動返信メールの例文をご紹介します。
ユーザーを離脱させない!英語フォーム設計のヒント
お問い合わせフォームを作成する際、ユーザーが「面倒だ」「わかりにくい」と感じると、途中で入力をやめてしまう可能性が高まります。
特に英語圏のユーザーは、明確さ(Clarity)と簡潔さ(Conciseness)を好む傾向にあります。フォーム設計においては、ユーザーの負担を減らす(認知負荷を下げる)ことが重要です。
フォーム設計のベストプラクティス
- 入力項目は最小限にする:フォームの入力項目は、必要不可欠なものだけに絞りましょう。デザインのガイドラインでは、入力フィールドを5つ以下にすることが推奨されており、これによりコンバージョン率が向上します。
- 項目名はシンプルに:日本語では「お名前」「メールアドレス」と書くところを、英語では「Name」「Email」といった、短い単語で表す方が好まれます。
- 1列のデザインを徹底する:フィールドを複数列に並べるのではなく、1列(単一カラム)で構成することで、ユーザーの読み進めるパターンに沿い、認知負荷が軽減され、モバイルでのパフォーマンスも向上します。
- 必須項目は明示する:必須項目にはアスタリスク(*)を使って明確に示しましょう。省略可能な項目は「Optional」と明記するのがベストです。
- プレースホルダーテキストの使用は避ける:入力フィールド内に薄く表示される「プレースホルダーテキスト」(例:”John Smith”)は、入力時に消えてしまうため、ユーザーを混乱させる可能性があります。使用は避け、フィールドの外側にラベルを常に表示させましょう。
- 情報のグループ化:関連する情報(例:個人の連絡先情報、会社情報など)をまとめてグループ化すると、フォームのレイアウトが改善され、ユーザーが感じる負担が減少します。
ビジネスにおいての問い合わせフォームの重要性については、下記をご確認ください!

コピペで使える!お問い合わせフォームの英語表記集
実際にフォームで使う具体的な英語表現の例です。
フォームのタイトルと説明文の例
| 用途 | 英語表現の例 | 意味 |
| フォームタイトル | Contact Us | お問い合わせ |
| フォームタイトル | Inquiry Form | お問い合わせフォーム |
| 説明文 | If you have any questions or comments, please fill out the form below. | ご質問やご意見がございましたら、下記のフォームにご記入ください。 |
| 説明文 | We are happy to hear from you. Please fill out the form below and let us know how we can help you. | お問い合わせいただきありがとうございます。下記のフォームにご記入いただき、どのようにお手伝いできるかお知らせください。 |
フォームの項目名(ラベル)の例
| 項目名 | 英語表現の例 |
| お名前 | Name |
| メールアドレス | |
| 件名 | Subject |
| お問い合わせ内容 | Message |
| 電話番号 | Phone Number |
| 会社名 | Company Name |
| ウェブサイトURL | Website URL |
ボタンの表記例
- Send (送信)
- Submit (提出)
- Confirm (確認)
フォーム送信後のメッセージ(成功メッセージ)
フォーム送信後、ユーザーを安心させ、次に何をすべきかを伝えることが重要です。
Thank you for your message. We have received it and will reply to you shortly.
(メッセージありがとうございます。受け取りました。近日中にご返信いたします。)
Your inquiry has been received. A representative will contact you within 3 business days. Thank you for choosing us.
(お問い合わせを受け付けました。担当より3営業日以内にご連絡いたします。弊社をお選びいただきありがとうございます。)
エラーメッセージの例
エラーメッセージは、何が問題で、どうすれば解決できるかを明確に伝える必要があります。
- This field is required. (この項目は必須です。)
- Please enter a valid email address. (有効なメールアドレスを入力してください。)
- Your message is too long. Please limit it to 500 characters or less. (メッセージが長すぎます。500文字以内にしてください。)
プロフェッショナルな自動返信メールの例文

フォームの送信直後に自動返信メールを送ることは、顧客満足度と信頼を維持するために不可欠なビジネスマナーです。フォームの確認メールは、詳細を記録に残すだけでなく、相手に安心感を与える役割を果たします。
自動返信メールは、すでにフォームで「用件は済んでいる」ため、簡潔で分かりやすい内容にすることが重要です。
テンプレート:お問い合わせ受付の自動返信メール
| 項目 | 例文 (English) | 補足・ポイント |
| 件名 | Inquiry Received: [Your Company Name] | 件名は明確かつ簡潔に。 |
| 宛名 | Dear [Name], | |
| 感謝と受領の確認 | Thank you for contacting us. We appreciate you reaching out to our team. | 「Thank you for your inquiry」の代わりに「We appreciate you reaching out」なども使え、より丁寧な印象を与えます。 |
| 今後の対応と期待値 | Your inquiry is important to us, and we will get back to you shortly. A representative will respond to your message within 2 business days. | 担当者がいつ連絡するか(例: 2営業日以内)という具体的な期待値を伝えることが重要です。 |
| 結び | If you have any further questions before then, please do not hesitate to contact us again. | |
| 署名 | Best regards, (Your Name) (Your Title) (Contact Details) | 最後に連絡先を記載します。 |
(※オプションとして、We have received the following message: のように、送信された内容をメール本文に含めることもあります)
英語フォーム設置の際の文化的・法的注意点
言語だけでなく、文化的な慣習や法的な違いを理解しておくことは、信頼関係を築く上で非常に重要です。
文化的な違い:率直さの重視
英語圏の訪問者は、日本人と比較して直接的で率直な表現を好む傾向があります。日本のビジネスメールのような、過度な丁寧さや謙譲の表現は不要で、フォームやメールの文面は、明確さと簡潔さを重視するようにしましょう。
法的な違い:プライバシーポリシー
英語圏、特に欧州(GDPR)や米国の一部の州(CCPA/CPRAなど)では、個人情報とプライバシーに関する規制に非常に敏感です。
お問い合わせフォームで情報を収集する際は、次の点に注意しましょう。
- 必要最小限の情報に限定する:収集する情報は、業務遂行に必要不可欠なものだけにしてください。
- プライバシーポリシーへのリンク:収集した情報がどのように使用・保護されるかを明記したプライバシーポリシー(Privacy Policy)を作成し、フォームにリンクを設置する必要があります。
- 規約への同意:お問い合わせフォームの送信前に、ユーザーが利用規約(Terms and Conditions)やプライバシーポリシーに同意したことを示すチェックボックスを設けることが推奨されます。この同意は、企業を法的に保護する上で非常に重要です。
小さな会社のオーナーとして、自分で複雑な法務文書を作成するのは難しい場合、Termlyのようなプライバシーポリシーや利用規約を自動生成するサービスを利用することも検討しましょう。
