なぜ私の送ったメールが「迷惑メール」に!?判定される原因と対策

完璧な件名と本文を作り込んだメールでも、送信ボタンを押した後、相手の受信箱ではなく「迷惑メールフォルダ」に直行してしまうことがあります。 GmailやOutlookなどのプロバイダは検知システムを年々厳格化していますが、仕組みを理解し、適切な対策を行えば回避することは可能です。

本記事では、スパムフィルターの仕組みと、メールが届かない主な原因について解説します。

目次

なぜメールが迷惑メール判定されるのか?

今日の迷惑メールフィルターは、単に「怪しい単語」を探しているだけではありません。AI(人工知能)を駆使し、「送信者の信用度」「技術的な安全性」「読み手の反応」を総合的に評価して、受信箱に入れるべきかを判断しています。

主な原因は以下の通りです。

1. 送信者の「信用度」が低い(メールの通信簿)

メールサービス側は、送信者に対してクレジットカードのような「信用スコア」をつけています。これまでの振る舞いが悪いと点数が下がり、迷惑メール扱いされやすくなります。 信用を下げる主な行動は以下の通りです。

  • 宛先エラーが多い(不達率が高い): 使われていないアドレスや、間違ったアドレスに送り続け、メールが届かずに戻ってくる状態です。名簿の整理が必要です。
  • 「迷惑メール」報告が多い: 受信者が手動で「迷惑メールとして報告」ボタンを押すこと。これは非常に大きなマイナス点になります。
  • 「無視」されている: 開封もクリックもされないメールを送り続けていると、「価値のないメール」と判断されます。
  • 送信量の急増: 作ったばかりのアドレスから、いきなり大量のメールを一斉送信する行為。
  • 評判の悪いサーバーの利用: スパム業者がよく使うような、質の悪いメール配信システムを使っている場合。

2. メールの「身元証明」ができていない(認証設定の不備)

ビジネスメールにおいて、自分が何者かを証明する設定(SPF, DKIM, DMARC)は必須です。これらは、言わばインターネット上の「身分証明書」のようなものです。 これらが設定されていないと、「なりすまし」を疑われ、自動的にブロックされる可能性が高まります。

  • SPF(エスピーエフ): 「ここからメールを送ります」とあらかじめ登録しておく仕組み。
  • DKIM(ディーキム): メールの封筒に「割り印」をして、途中で中身が書き換えられていないことを証明する仕組み。
  • DMARC(ディーマーク): 上記のチェックに失敗した怪しいメールを、「拒否」するか「ゴミ箱に入れる」かを受信側に指示する仕組み。

これら3つが正しく設定されていない場合、セキュリティリスクが高いとみなされます。

3. 読み手の「反応」が薄い

スパムフィルターは、人間の行動を観察して学習しています。 受信者がメールを開かずに捨てたり、迷惑メール報告をしたりすると、それは「不要なメール」という強い合図になります。

逆に、以下のような「ポジティブな行動」が多いと、信用度が上がり、届きやすくなります。

  • メールを開封する
  • リンクをクリックする
  • 返信する
  • 「迷惑メールフォルダ」に入ってしまったメールを「受信箱」へ移動させる

その他の「迷惑メール」入りする要因

技術的な問題以外にも、メールの中身そのものが原因になることがあります。

  • 大げさな件名: 中身と関係のない「釣りタイトル」や、過度に不安を煽る件名は信用を傷つけます。
  • 送信者名が怪しい: 誰から来たか分からない名前や、意味不明な英数字の羅列になっている場合。
  • スパム業者が好む言葉の使用: 「完全無料」「50%OFF」「!!!(過剰なビックリマーク)」などを多用すると、機械的に弾かれやすくなります。
  • 怪しいリンク: 本文内に、危険なサイトへのリンクが含まれている場合。
  • 添付ファイル: ファイルが添付されているとウイルスを疑われやすいため、ビジネスの一斉送信(メルマガ等)では避けるのが無難です。
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